【無痛分娩】
当院では、硬膜外麻酔を用いた無痛分娩を行っています。
硬膜外麻酔は、お産の痛みを和らげるだけでなく、会陰切開縫合などの痛みにも効果があります。
無痛分娩は全ての痛みを取り除くのではなく“いきむ”程度の陣痛の痛みは残ります。
痛みを“全く痛くない:0点”から“経験したことのない最悪の痛み:10点”までを点数化した場合には、無痛分娩を行った時の痛みは、半分以下の3点程度になるといわれています。
無痛分娩には、〔自然無痛分娩〕と〔計画無痛分娩〕があり、当院はどちらにも対応しています。
〔自然無痛分娩〕
自然なお産の流れのなかで陣痛や破水が来た後に麻酔薬を投与するので、より自然分娩に近い形でのお産ができます。
(方法)
自然に陣痛が始まってから子宮口が5~6㎝に拡大したところで硬膜外腔に1㎜程度のチューブを入れて留置します。そこから麻酔薬を投与することでお産の痛みを和らげることができます。
〔計画無痛分娩〕
分娩の日程に合わせて行うことができまるので、ご家族がお忙しい場合には有用です。
(方法)
入院してから子宮口を広げる処置を行い、陣痛促進剤を投与しながら分娩誘導を開始します。子宮口が約5~6㎝に開大したところで硬膜外腔に1㎜程度のチューブをいれ留置します。そこから麻酔薬を投与することでお産の痛みを和らげることができます。
*但し、分娩の進行状況や麻酔管理者が不在時には対応できないこともありますので、あらかじめご了承ください。
〔無痛分娩のメリット〕
・お産の痛みが軽くなることで、ストレスが減り体力の消耗を防ぐことができます。
・お腹から下の部分に効く局所麻酔のため妊婦様の意識ははっきりしているので、赤ちゃんが産まれることを実感できます。すぐに抱っこすることもできます。
・産後の回復が早くなります。
〔無痛分娩のデメリット・リスク〕
・陣痛が弱くなるため分娩時間が延長したり、陣痛促進剤の使用や吸引分娩が必要となる可能性が高くなります。
・頭痛を起こす場合があります。(約1%程度)
・38度以上の発熱を起こす場合があります。(約10%程度)
・かゆみを感じることがあります。
・尿を出しにくいと感じることがあります。
・血圧が一時的に下がることがあります。
(予防のため出産後まで点滴を行っています)
*極めて稀に次のような合併症が起こる場合があります。
局所麻酔中毒,麻酔薬アレルギー,下肢神経障害,意識障害,味覚障害,呼吸停止,心停止等
但し、当院では、現在までに重篤な合併症の症例はありません。
〔費用〕
健康保険は適用されません。平日は70,000円、夜間および祝祭日は100,000円かかります。
【情報公開】
無痛分娩の診療実績
1988~1989年 | 旧国立久留米病院(現久留米大学医療センター)にて 全身麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔等の外科麻酔を行う。 |
1993~2013年 | 約20年間、年間取扱分娩数は約400~450例、年間無痛分娩件数は約50~60例、その期間の無痛分娩希望者の約80%は米海軍佐世保基地関連の外国人であった。 |
2014~2015年 | 日祭日の自然無痛分娩を中止すると同時に外国人の分娩受付人数を減員したため自ずと無痛分娩数も減少した。 |
2015年 | 日本産科麻酔学会会員 |
2016年 | 長崎県救急医療システム公開 |
2016~2021年 | 佐世保市内外の無痛分娩希望者が増加の傾向にある。 |
2021年3月 | JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)の認定を受理される。 |
2023年3月 | J-CIMELS 硬膜外鎮痛急変対応コース修了 |
施設ID:10410
集計年月日2024年1月
●産婦人科と麻酔科の合計医師数
●分娩取扱実績
●無痛分娩に関する対応方針とマニュアル等の整備状況
●無痛分娩に関する設備及び医療機器の配備状況
●急変時の体制
急変時の体制:自施設で一次対応後、他施設と連携
他施設との連携体制時の重症母体搬送先
●緊急対応シュミュレーションの実施の有無とその内容
実施の有無:有り
●無痛分娩麻酔管理者について
氏 名:東島 博
所有資格:日本産婦人科学会産婦人科専門医
日本産科麻酔科学会員、JCIMELS
●日本産婦人科学会偶発事例報告・妊産婦死亡報告事業への参画状況